1990-08-26から1日間の記事一覧

草一郎「さよならは二度と言えない」

狭く、息苦しい病室だった。 白色で統一された床と壁紙は、何かの実験施設を思わせた。ベッドが六つ並べられており、その上には青白い顔をしたクランケが横になっている。僕にはその室内の様子が病人を癒すために計画されたものには思えなかった。 僕は静か…