2012-01-01から1年間の記事一覧

黒井千次『星からの1通話』@刹那

あらすじ 遠い夜空のむこうにも、大人と子供がいて、樹や石があって、泣いたり、笑ったり、おこったりしているのだろうか。ある日、突然かかってきた星からの電話。どちらもみんな苦労しているとわかったら、切れてしまった――。ショートショートの奇才があな…

中村 航『僕の好きな人が、よく眠れますように』@祈灯愁

〔あらすじ〕 「こんなに人を好きになったのは生まれて初めて」。東京の理系大学大学で研究を続けている大学院生の僕の前に、運命の人が現れた。春、北海道からゲスト研究員でやって来た斉藤恵――めぐ。だが直後の懇親会で、彼女はある事情から誰ともつきあえ…

著/グードルン・パウゼヴァング 訳/高田ゆみ子『そこに僕らは居合わせた 語り伝える、ナチス・ドイツ下の記憶』@ゆま

ナチスの支配下、全体主義の狂気に「普通の」人びとがのみこまれてゆくさまを少年少女の目を通して描く。人間の弱さと強さをみつめ、未来へつなげるために。(帯より抜粋)戦後に生まれ、ナチスやヒトラーは悪だと学校で教えられている子どもたちの視点で、…

槙田雄司『一億総ツッコミ時代』@猫町

内容 ツイッターで気に入らない発言を罵倒し、ニコ生でつまんないネタにコメントし、嫌いな芸能人のブログを炎上させる。ネットで、会話で、飲み会で、目立つ言動にはツッコミの総攻撃。自分では何もしないけれど、他人や世の中の出来事には上から目線で批評…

浅田次郎『鉄道員』@序二段

【あらすじ】 娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた…。映画化され大ヒットした表題作「鉄道員」はじめ「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」「オリヲン座からの招待状」など、珠玉の短篇8作品を収録。日本中、150万人を感涙の渦に…

初野晴『退出ゲーム』@黎明

【あらすじ】 「わたしはこんな三角関係をぜったいに認めない」―穂村チカ、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみのホルン奏者。音楽教師・草壁先生の指導のもと、吹奏楽の“甲子園”普門館を夢見る2人に、難題がふりかかる。化学…

辻村深月『ツナグ』@刹那

あらすじ 一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの…

うえお久光『紫色のクオリア』@猫町

あらすじ 自分以外の人間が“ロボット”に見えるという紫色の瞳を持った中学生・毬井ゆかり。クラスでは天然系(?)少女としてマスコット的扱いを受けるゆかりだが、しかし彼女の周囲では、確かに奇妙な出来事が起こっている…ような?イラストは『JINKI』シリーズ…

青柳碧人『浜村渚の計算ノート』@ぽっけ

【あらすじ】 「数学の地位向上のため国民全員を人質とする」 天才数学者・高木源一郎が始めたテロ活動。彼の作った有名教育ソフトで学んだ日本人は予備催眠を受けており、命令次第で殺人の加害者にも被害者にもなりうるのだ。テロに対抗し警視庁が探し出し…

米澤穂信『愚者のエンドロール』@序二段

【あらすじ】 「折木さん、わたしとても気になります」文化祭に出展するクラス製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか?その方法は?だが、全てが明か…

森博嗣『喜島先生の静かな世界』@黎明

【あらすじ】 学問の深遠さ、研究の純粋さ、大学の意義を語る自伝的小説 僕は文字を読むことが不得意だったから、小学生のときには、勉強が大嫌いだった。そんなに本が嫌いだったのに、4年生のときだったと思う、僕は区の図書館に1人で入った。その頃、僕は…

「虹色ほたる 永遠の夏休み (上・下)」著:川口 雅幸@祈灯愁

あらすじ 小学校6年生になったユウタは、久しぶりに虫を取りに山奥のダムにやってくる。ここはかつてお父さんと2人で一緒に訪れたことのある懐かしの場所だった。懐かしみながら山奥へと進んでいくと、天気が崩れ始める。注意して進むも、ユウタは足を滑ら…

村上凛『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ』@山西

あらすじ 中学時代に女関係でトラウマを抱えた主人公・柏田直輝は、それをバネにし、脱オタク・リア充化することを誓う。しかし、そこには数々の困難が立ちはだかる。主人公はオタクを目指している奇妙な美少女・恋ヶ崎桃と仲良くなることで、これらの困難を…

活動報告

2012年度の活動報告です。■□■2012年度■□■4月 11日(水) 冬号書評会「届け」 12日(木) 冬号書評会「僕は小説が書けない」 18日(水) 冬号書評会「重くなく軽い」 19日(木) 冬号書評会「Door to door」 25日(水) 冬号書評会「竹取作家」 26日(木) 冬…

瀬戸内寂聴『秘花』@大江

内容 そこには花と幽玄が絡みあい解けあった濃密な夜の舞があった――。『風姿花伝』『花鏡』などの芸論や数々の能作品を著した能の大成者・世阿弥。彼が身に覚えのない咎により佐渡へ流されたのは、齢七十二の時だった。それから八十過ぎまでの歳月の中、どの…

高野和明『13階段』@来八

あらすじ 無実の死刑因を救い出せ。期限は3ヵ月、報酬は1000万円。喧嘩で人を殺し仮釈放中の青年と、犯罪者の矯正に絶望した刑務官。彼らに持ちかけられた仕事は、記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすことだった。最大級の衝撃を放つデッド・リミット型サスペ…

庵田定夏『ココロコネクト ヒトランダム』@師父

【内容】文研部に所属する五人、八重樫太一・永瀬伊織・稲葉姫子・桐山唯・青木義文は、奇妙な現象に直面していた。前触れなく起こった青木と唯の“人格入れ替わり”。それは次々と部員全員に襲いかかり、彼らを異常な日常に放り込む。戸惑いつつもどこかその…

神林長平『戦闘妖精・雪風〈改〉』@猫町

あらすじ 南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。反撃を開始した人類は、「通路」の彼方に存在する惑星フェアリイに実戦組織FAFを派遣した。戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに、孤独な戦いを続ける特殊…

中島らも『こどもの一生』@刹那

[あらすじ]瀬戸内海の小島をレジャーランドにするためにヘリを飛ばし下見に来た男二人は、セラピー施設に治療のためと称して入院し一週間を過ごすことになった。しかしすでにそこには女二人、男一人の患者――クライアントがいた。五人は投薬と催眠術を使った…

コリン・ウィルソン『現代殺人百科』@序二段

【あらすじ】 ここ20年来、全世界で発生した衝撃的殺人事件一〇三ケースの、犯人の手口と心理をリアルに抉る。事実のみが語り得る戦慄の恐怖。犯罪は、時代の気分を鮮烈に反映する。衝動殺から無差別殺人まで、「殺人の時代」の現代をヴィヴィッドに再現。セ…

西村則昭『アニメと思春期のこころ』@おさひさし

「エヴァ」とは何であったのか? なぜ思春期の子どもたちは、アニメに夢中になるのか? 本書は、子どもたちのゆれる心の真実を、アニメを素材にしながら理解しようと試みた画期的な深層心理学的アニメ論であり思春期論である。(本書帯より) 日本にはアニメが…