朝の香りを含ませて、爽やかな風が吹き抜ける。開け放った窓から吹いてきたその風は、私の髪をなびかせた。 おひさまのにおいが強い気がする。夏が近いからだろうか。 小鳥の鳴き声に混じって、微かなブンブンという羽音が聴こえてくる。 彼らは働き者だ。隣…

「『我流マーフィーの法則 No.167 相談相手の真剣さは、相談の内容の重要度に反比例する』、何これ？」 「ちょっ、なんで勝手に見てるんですか！」 「マーフィーの法則ってあれ？ 雨が降った日に限って傘がない、っていう。久しぶりに聞いたよ」 「返して下…

内容（「book」データベースより） 「小さいことにくよくよしない!」癖を身につけると、人生は100%完璧にはならなくても、あるがままの現実を抵抗なく受け入れられるようになる。本書に書かれた戦略をためしてみれば、穏やかに生きるための二つのルールが身…

仙人の下へ一人の男が訪れた。男は言う。 「仙人様にお尋ねします。仙人様のお力で象を針の上に立たせることは、出来ますでしょうか」 仙人はいとも容易いと答えると、針と象を呼び寄せた。そして現れた象を見事、一本の針の上に立たせたのだった。とがった…

青くさい匂いが充満していた。 日も落ち、気温は徐々に下がってきているのだが、昼に満ちた匂いがなかなかなくならない。しかし、広い草原の中ではそれから逃れることはできない。草を刈って作った小さな円の中でたき火をしつつ、時折空を見上げる。風はあま…