【あらすじ】
混乱する現場で対立する捜査一課特殊班とSAT。現場で指揮する竜崎の決断は。警察庁から大森警察署署長に左遷されたキャリアの竜崎伸也。襲いくる様々な圧力に竜崎は打ち勝つことができるのか。 隠蔽捜査シリーズ第２弾。（amazonより）
【感想】
前作「隠蔽捜査」を読んだ時も思ったのだけど、とにかく主人公の竜崎がカッコ良い。確固たる信念を持ち、建て前と本音を使い分けることなく合理性を重視する警察官。その分人間関係の機敏に疎い面もあるが、部下、上司、家族ときちんと見ている人からは正当に評価されている。
今回、竜崎は立てこもり事件の指揮を執る。犯人は銃を持っているし、人質も取っている。SITによる説得を続けるべきか、SATによる突入を許可するべきか。そんな難しい判断を迫られるのだけど、メンツなんて概念を気にしない竜崎は、その時その時正しいと思う決断をバンバン下していく。その姿は読んでいて本当に痛快だ。物語の後半、警察の監察官に事件について訊かれても、自分は正しいことをしたのだから、と堂々と答える姿は、やはり芯のしっかりした人間は強いのだなと再認識させてくれる。
ストーリーも、いろいろ調べていくうちに事件の全貌が明らかになっていく過程は読んでいて興奮するし、ラストシーンもなかなか良い。前作と合わせてお勧めです。
