霧舎巧『ドッペルゲンガー宮―“あかずの扉”研究会流氷館へ』@霧夢


あらすじ(ウィキペディアより引用)
「実家へ帰省した女生徒が戻って来ない」、と私立高校の教師から相談された《あかずの扉》研究会の面々。

研究会の一員で自称・名探偵の鳴海が、女生徒・涼香の実家「流氷館」を訪れると、そこでは、彼女の祖父が推理イベントを開催していた。しかし、朗らかなイベントは戦慄の連続殺人へと変わり果てていく。予定外の人物の乱入、犯人はそれさえも利用し、残酷な殺人を続けていく。

本作はおそらくタイトルを見ればわかるとおり「館もの」である。
館ものとは、いわゆる呪いがあったり変な仕掛けがあったりといわくつきな館で起こる事件をまとめた、推理小説における一つのジャンルだ。
この館ものは、基本的には「嵐の〜」「吹雪の〜」「孤島の〜」などと併合されることが多く、一種のクローズドサークルとなることも珍しくはない。
今回はそれとは微妙に違うのだが、館もののの醍醐味、大どんでん返しには大いに期待できるだろう。

ただ、この本は手に取ってもらえればわかると思うが非常に分厚い。
文庫版と新書盤の2種類ああるが、正直文庫版を「文庫」と呼ぶには若干勇気がいるかもしれない。
それだけに中身が濃いということなのだが、推理小説好きにはそんなに大した分量でもないかもしれないが、一般の人にお勧めするには少しヘビィとも思える。

まあ、何はともあれ興味があったらぜひ読んで欲しい。
俺も大学に≪あかずの扉≫研究会があったら入っただろうなぁw