東野圭吾『赤い指』@志庵

【あらすじ】

 とある午後。
 一軒のごく普通の戸建て住宅の庭にうち捨てられたのは7歳の少女の遺体。
 殺したのはこの家の中学生の息子。
 母は息子が犯した犯罪から息子を守ることこそ愛情と思いこみ、父は息子の犯した犯罪の後始末で保身を図ろうとする。
 父親が思いついた隠蔽計画とは同居している痴呆症である自分の母親に全ての罪をなすりつけようとするものだった。
 その事件に所轄の刑事で鋭い洞察力と観察力で犯罪を追い詰める加賀恭一郎が挑む。



【感想】

 正直、「最後はこうなるのだろうな」というのが序盤でわかる物語である。わかっているのだけれど「こうなんだよね、え?違うの?」と最後まで思わせる作品であった。殺人を犯してしまった息子を必死に守る母親。懸命に隠蔽工作を考え、実行に移す父親。舞台が平凡な家庭だけによりリアルに思える作品でした。東野さんの作品にはあまり見られない「家族」をメインテーマとしたものである。読みやすい本なのでぜひ一度読んでみてください。