恩田陸「夜のピクニック」@継道

「あらすじ」
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
(「BOOK」データベースより引用)


「感想」
言わずと知れた青春小説。
中学生はまだまだ子供であり、大学生になってようやく大人に一歩近づく。
ちょうどその間にあたる、高校生。
子供の世界の最後に位置し、大人の世界の最初に位置するのが高校生であるとも言える。
そのため、高校時代の出来事は、大人になっても忘れることのできないキラキラと輝く思い出になるのではないか。
この小説は、そうした高校時代の特別な出来事を描くのではなく、あくまで平凡な出来事を描いている。
「ただ歩く」だけなのに、どうしてこうも特別なのか。
レビューを見ていると、中には途中もたもたしているという意見も見られる。
しかし、それもこの作品の良さではないかと思う。
言うなれば、青春ドストレートの作品である。
最近、人生に疲れ始めている人にぜひ読んでいただきたい。


ただ、自分の高校時代のことを思い出しながら読むのはあまりオススメできない。
なぜなら、ほとんどの人は後悔すると思うからだ。
高校時代に本当の意味で青春していた人など、どれくらいいるのだろうか。
もちろん、自分はしていなかったと自信をもって言える。


これ、中学生のときに読んでたらなぁ……。