【あらすじ】

「大学の一年間なんてあっという間だ」入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン……。学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という“砂漠”に囲まれた“オアシス”で超能力に遭遇し、不穏な犯罪者に翻弄され、まばたきする間に過ぎゆく日々を送っていく。パワーみなぎる、誰も知らない青春小説。
(「BOOK」データベースより)


【感想】
伊坂氏お得意のミステリーではなく、今回はある大学生「僕」こと北村の視点で描かれた青春小説である。
いつも周りを見下している鳥瞰型の大学生である北村が、
クラスの飲み会で近視眼型の学生である西嶋と出会うことから物語りは始まる。
何事にも悲観的な北村と対象的に西嶋はどんなことでも楽しむ。
「その気になればね、砂漠に雪を降らすことなんて、余裕でできるんですよ」
西嶋はただひたすらにまっすぐで、格好いい。
多くの人がそうありたいと願いながらも、実現できていないことを、彼は平然とやってのける。
西嶋のような人物がいれば、私の大学生活も、もっと楽しくなるのだろうか。

なんてことはまるでない、はずだ。