週刊書評 ツルゲーネフ「はつ恋」@小野 茸


・あらすじ
16歳の青年ウラジミールは、別荘の隣に引っ越してきた零落した公爵家の令嬢ジナイーダに一目ぼれをする。初めての恋にウラジミールは悶々とした日々をすごすが、ある日、ウラジミールはジイナーダが自分ではない他人に恋をしていることに気づく。その男はほかでもない自分の父親で……。

・感想
憂愁を感じることができる作品です。訳者によって大分雰囲気が変わる作品ではあるとは思うのですが、ところどころにフランス語のエッセンスがちりばめられているところにセンスを感じます。この作品は、苦しく、切なく、そしてだからこそ幸せでもあります。そこまで長い作品でもないので、軽い気持ちでもいいので読んでみてください。人生が変わるかもしれません。そんな一冊です。