【あらすじ】
毎年、九月末になると「白河庭園」で行われる、虫聞きの会。もう二十年近くも続いているという、そんな風流な催しに、僕が行く気になったのは、一にも二にもクドウさんのためだった。毎年家族で訪れているというクドウさんと偶然を装って会うはずだった。それなのに…。―殺されたのはクドウさんの従姉だった。事件は思いがけない方向に進んでいき無責任な噂があとを絶たない。僕は親友の島崎と真相究明にのりだした。大好きな彼女は僕が守る。
(「BOOK」データベースより)

【感想】
前作「今夜は眠れない」では家族のために奔走していた主人公が、今回は大好きな女の子のために奔走する。前作では終始暖かい雰囲気だったが、今作では、どこか暗い雰囲気がつきまとう。物語の最後で主人公は、ある残酷な真実に直面する。普通の人間であれば思わず目を背けてしまいそうな程残酷な真実だ。しかし主人公はその真実にきちんと向き合い、そして自分なりの答えを出す。それで良かったのかどうかはわからない。中学生の浅はかな判断なのかもしれない。ただ、私は正しいと思った。
 悲しい話が好きな人にオススメの一冊。


 最後に、こんな中学生は絶対にいやしない、というか居たら嫌だ。