池田清彦『人はダマシ・ダマサレで生きる』@おさひさし


・あらすじ
 エコ商品、地球温暖化、食品偽装、市場原理主義、天気予報、健康診断……世間はほどよい“ダマシ”で回っている。
 本物とかニセ物とか、騙したの騙されたのと騒ぐのは人間だけ。でも、だからこそ人生は愉しい。なぜか? 人間は自らをダマシて進化する稀有な動物だからである。
 “正しさ”の束縛を解き、頭のネジをちょっとゆるめる面白さ!(本書帯より)


・感想
 なんと、私はこんなにも騙されていたのか! 私たちがのうのうと暮らしている裏で、こんなカラクリがあったのか!
 絶望した! 騙して騙される人間社会に絶望したァッ!!

 ……というのは少し大袈裟だが、この本を読んだ感想は大体そんな感じである。まあ、読んでみれば「これは知ってた」とか「まあそうだろうなとは思ってたんだ」的な感想もぼろぼろ出て来る。しかし、世間にはびこるダマシのカラクリやその仕組みがわかりやすく説明されているので、今まで「なんとなく怪しいゾ」と思っていたことや「頭ではわかっていたけど……」という曖昧な知識も、きちんと腑に落ちる。要するにスッキリするのだ。
 自分がこの社会にダマサレていないか心配な人は、読んでみることをお勧めする。将来タメになりそうな知識や面白い話も豊富に書かているので、読んで損はない。
 ちなみに私はこの本を読んで、政治や世界への疑念・不信度的な意味でレベルアップした。