知里幸惠『アイヌ神謡集』@秋乃

【内容】

「銀の滴降る降るまわりに,金の滴降る降るまわりに」――詩才を惜しまれながらわずか十九歳で世を去った知里幸惠。このアイヌの一少女が,アイヌ民族のあいだで口伝えに謡い継がれてきたユーカラの中から神謡十三編を選び,ローマ字で音を起し,それに平易で洗練された日本語で訳を付して,編んだのが本書である。(本書裏表紙)


【感想】

アイヌ民族の神がどのような存在として語られてきたのか。そのことに、僅かではあるが触れられたように思う。
いきいきとした鮮やかな詩と注釈を通して、生き物の在り方や生と死についてなど、アイヌ民族のさまざまなものに対する価値観を知ることができた。そして同時に、同じ日本に住んでいながら自分はあまりにもアイヌについて無知だったのだと改めて気付かされた。アイヌについてもっと深い部分も理解できるようになりたいと感じ、また、アイヌと同様に独特の文化や価値観をもつ琉球についても知りたいと思った。