宮本輝『青が散る』@たこのには

【内容】
新設大学のテニス部員椎名燎平と彼をめぐる男友達、女友達。原色のいのち燃える人生の短い季節を急ぎ駆けぬける者、ためらい立ちどまるもの……。青春の光芒のあざやかさ、そして切なさとむなしさを、テニスコートに白球を追う若い群像に描き、テニスというスポーツを初めて文学作品にした感動の長編小説。(本書裏表紙より)


【書評】
明け暮れるという言葉は、本書を表すにふさわしい。彼らはテニスに、恋愛に、ひたすら明け暮れる。現実を直視して、必死にぶつかっていく。その直ぐな生き様に、つい目が釘付けになってしまう。生きるとは何か、彼らが自身の生き様を通して問うているように感じられる。
また、時折ちらつく陰影も見どころである。失恋による虚脱感やガリバーが歌う「人間の駱駝」に象徴される退廃的な空気は、彼らの持つ明るい光と対比して、生をより一層リアルなものに仕立てている。
人が放つ熱い空気に触れたい方におすすめの一冊。


【感想】
燃えてる人はかっこいい。