ウィル・ボウエン「もう、不満は言わない」@来幸笑

 幸せになるために何をしたらいいか、昔から考えられてきたことだ。大勢の人がそれぞれいろいろな理由をつけて、こうすればいい、ああすればいいというけれど、この本に書いていることは単純明快。「不平不満を言わないようにする」それだけだ。
 著者のウィル・ボウエンはある方法によって「不平不満のない世界」を作ろうと考えている。といっても、特殊なことではない。ゴムバンドを手首にはめ、自分が不平不満や他人を責める言葉、ゴシップを口にしたと気づいたら、ゴムバンドをもう片方の手につけかえる。それだけだ。そして、ゴムバンドをつけかえることなく21日間過ごすことができれば、すべてがうまくいくようになっているというわけだ。「そんな簡単なことで?」と思うかもしれない。しかし、やってみるとこれが難しい。自身も始めて1時間ほどでゴムバンドをつけかえることになり、愕然とした。いまだに1日以上ゴムバンドをつけかえない日はないが、少しずつ回数は減ってきている。気長にやっていくとしよう。
 「幸せになりたい」と多くの人が願っている。しかしほとんどの人は「不幸せ」に注目している。実際にゴムバンドを手首につけてみれば実感するだろうが、1日にどれだけ不平不満を口にしていることか。昔から「口は災いの元」という。不平不満を口にすれば、不平不満を呼び寄せてしまうのだ。しかし、これは悪いことだけに当てはまるのではない。善い言葉を使えば良いことを呼び寄せる。災いも福も等しく引き寄せるのであれば、無用な災いは遠ざけてたくさんの福を引き寄せたいと思う。