お題『魔法少女』『旗本』『桜吹雪』@師父

 さて、魔法少女というものは、皆の夢だ。異論は無いな?
――よろしい。皆が紳士で私も嬉しいよ。
 魔法少女といえば、あの衣装だろう。三次元の人間が真似をしようにも出来ない、絶妙なバランス。構造上の問題から、あの鮮やかな色合いを着こなす素質面の問題、更にはその服装で縦横無尽に動き回る非現実性……
 おっと、話が逸れてしまったな。いや、何が言いたいかと言うとだな、和の世界に魔法少女は確かに合うと思うんだ。幻想的な夜の桜吹雪に合わせて可憐な魔法少女達が舞う、素晴らしいじゃないか。しかし……戦国時代に魔法少女は無理があるんじゃないか?
『戦国時代を舞台とした魔法少女モノのアクションゲーム。主人公は何の力も無い村娘だったが、聖獣の導きによって力を得て、戦乱を止めるために奔走する……』
 つまりあれか、可憐なはずの魔法少女達がいかつい鎧姿の男共をばっさばっさとなぎ倒していくと?
「武将達も全部萌え化するみたいですね」
 何でもアリだな……。まぁ、絵柄的にはそちらの方が良いのかも知れんが……。
『旗本に攻め込まれたら負け、逆に相手の旗本まで辿り着いたらボスとの一騎打ち……』
 親衛隊は何をやってるんだ? というか、自軍旗本には何があるんだ? 軍隊じゃあるまいに、大将もいないだろう?
魔法少女の心だそうです。正確には、魔法少女の純真さを投影したクリスタルみたいなものだとか」
 それは絶対に死守せねばならんな。
 よろしい、魔法少女という夢を守るアクションゲーム。指針は決まったぞ。敵兵は可能な限り気持ち悪くしろ。プレイヤーに、こんな奴に俺の○○ちゃんを渡すか! と思わせねばな。
 私か? 私は主人公の健気な頑張り屋の魔法少女を徹夜でデザインする! 皆の夢を、私が創り上げるのだ!

 無理難題を押し付けられても、何だかんだ乗り気なキャラクターデザイン班でした。