さくらももこ「ひとりずもう」@江乃本

紹介(Amazonより)
もものかんづめ』『たいのおかしら』『さるのこしかけ』『さくら日和』に続く、さくらももこの懐かし・おもしろエッセイです。 『さくら日和』以来の、6年ぶり書き下ろし。著者が最も得意とする少女時代に加え、今まで書いたことのない「思春期」「青春」のエピソードが満載です。イラストも多数掲載。爆笑と感動が詰まっています。

感想
『ちびまるこちゃん』で知られるさくらももこの、青春をテーマにしたエッセイを読んでみた。
書かれていることはどれもこれも、女の子なら少しは共感してしまうことだらけで、思わずふふっと笑ってしまうポイントが満載である。
思春期、男女の秘密を知って驚きおののいたり、話したこともない人を好きになってめくるめく妄想を楽しんだり――。
そんな中で私が特に興味をひかれたのは、作者さくらももこが、「漫画家になる」という夢を叶えるまでの過程である。
意外や意外、小さい頃からずっと一途に漫画に取り組んできたのかと思いきや、そうでもなかった。
一度はあきらめたり、挫折感を味わったりしつつも、それでもある時期を境に彼女は本格的に漫画家を目指していく。
それまで特に本格的に漫画を描いてみたことのなかった彼女がようやく本気を出すにあたって思ったのは、まずは紙と道具を買いにいこう、ということだった。
大きな夢もまずは近くの文房具屋から、というような表現を見て、私はなんだか痛いところをつかれたような思いがした。
なりたい夢があって、それを実現できる可能性が低くても、着実に行動を起こしていけば叶う可能性がある。
逆に言えば、漫画家に限らずどんな夢でも、自分から行動を起こしてそれを継続しないことには叶いっこないということだ。
私は今、将来を決めつつあるこの大事な時期で、いかに自分から夢に向かって努力する必要があるかを痛感した。
面白さと感動が詰まっているこの本の中で、皆さんも是非人生のヒントを探してみてはいかがだろうか。