根本橘夫「<心配性>の心理学」@たゆな


 誠実で良心的に生きようとするとき陥りがちな心配と不安のたえまない悪循環。心の真相に光りを当てながら対処法を模索する。


【目次】
第1章 心配性の人の住む世界
1――心配性とは
2――心配性の性格特性
第2章 心配なとき、何が起こるか
1――心配の体感性
2――心配の身体的変化
3――心配なときの行動
第3章 不安はどのようにとらえられてきたか
1――性的願望が漏れ出る不安
2――劣等感情に根ざす不安
3――大事な人から認めてもらえない不安
4――怖い世界にたった一人でいる不安
5――被害者を演じる不安
第4章 しつけがつくる心配性
1――なぜ親の影響が強いか
2――しつけの表の意味
3――しつけの隠された意味
4――子供を抑圧しないしつけ
第5章 心配性とのつきあい方
1――心配性の受け入れ
2――不安分析の方法
3――心配する身体には自立訓練法
4――自己価値の確率

以上本書より引用


【あらすじ】
 本書によると心配性の見分けかたは非常に簡単で、ある一つの質問をすれば分かるとしている。それは、「あなたは、自分が心配性だと思いますか? YESかNOかで答えてください」という質問である。
 ここで「YES」を選んだ人は心配性で、多少迷って最終的に「NO」を選んだ人も心配性であると筆者は述べている。
 筆者の調査によると心配性の人の割合は65%に達する。三人中二人が心配性なのである。
 第一章から第三章までは心配や不安について述べられており、第四章では親のしつけを心配性の主な原因として心配性の説明をしている。最終章の第五章では心配症の対応法が書かれている。


【ポイント】
★1. しつけは子供の生の感情を否定する
壁に絵を描いてはいけませんよ。

★2. しつけは子供の不安を高める
甘いものばかりを食べていると、虫歯になるよ。

★3. 母親からの拒絶は最も大きな恐怖
幼い子供にとって母親は世界の全てなのだから、母親に拒絶されると生きていけない。

★4. 心配とは自分との戦い
心配は客観的なものではなく、主観的なものなので自分との戦いが必要である。

★5. 心配症を受け入れるためには、心配の原因を細かく分析する
原因を一つ一つ細かく分析し、客観的に解決法を探る。


【感想】
 私は心配性だと思ってこの本読みました。具体的な対処法と原因が書かれており、非常にためになりました。