榛野なな恵『Papa told me (3)』@たゆな

【情報】
作者は法政大学文学部哲学科卒業
1987年から現在に至るまで連載中。(今は不定期連載)
一話完結の短編集。

【あらすじ】
 作家のパパと小学生の知世ちゃん、ふたりきりの父子家庭だけど、明るく建設的に生きています。
(中略)
 世間の目とかつらいことも多いけど、あったかな心さえあれば、元気いっぱい!!
 裏表紙より引用。

【感想】
 この作品には既成化した価値観との対立が描かれている。
現在では離婚率の増加やテレビなどの啓蒙活動もあり、困難は若干少なくなったが、未だ父子家庭というものは厳しいものがある。
当時は今より酷かったということは容易に想像ができる。

 パパは周りから、世間というものの圧力をかけられる。
それはしきりに再婚を勧めてくる親戚や、道を慌ただしく歩く一様に灰色のスーツを着た人間達であったりする。
また時には自分自身に圧力を加えてしまう。
大の大人が昼間に公園で娘と遊んで、他人から自分はどのように見えるのか。
そこで知世は一言をかける、何が悪いのかと。

 知世が作者の代弁者としたら、私も作者の意見におおむね同意だ。
結局は自分がしたいようにするのが、重要だ。
みんなみんながそれぞれの物差しを持っているのだから、他人のものを使わずに自分のものを使うことが重要なのだ。