奈須きのこ『DDD』@小野

それは骨の軋む幽(しず)かな夜。花開くような、美しい命の音。
――Decoration Disorder Disconnection

というキャッチフレーズで描かれているこの作品。
人間の精神だけでなく肉体までもを変貌させる病気、A(アゴニスト)異常症という病が存在する世界で、描かれる物語は、面白いの一言。
奈須さんが好きな人にはお勧めの作品です。
今までの奈須さんの世界観とは少しばかり違った世界観で描かれているこの作品では、魔術も何も出てきません。(今のところはですが)
その代りに出てくるA異常症に汚染された人間は新たな器官である新部を手にし、その新部にはまるで悪魔がついたかのような異様な能力が発生し、世界に影響を及ぼす。

そんな世界観ですが、個人的には2巻から出てくる秋星さんがかっこよくてお勧めです。なにがカッコいいかはネタばれになるので言えませんが、とりあえずこの人のあり方がカッコいいです。

ただ、この作品の唯一の難点は出だしが難解かつ冗長なことです。はじめさえ乗り越えてしまえば楽しめる作品なので、皆様ぜひご一読を。