久坂部羊『無痛』@志庵

【あらすじ】

 神戸で一家四人の殺人事件が起こった。警察が犯人を絞れないまま八か月が経ち、精神障害児童施設の十四歳の少女が自分が犯人だと告白した。その事件に人を見ただけで症状がわかる医師が立ち向かう。


【感想】

 刑法三十九条、心神喪失者の行為は罰しない。この法律の正しさについてを問う作品だと思った。日本では殺人を犯しても心身障害者を装えば無罪になる可能性があるからだ。人間の内面がとてもリアルに描かれ、事件の真相も最後までわからない、ハラハラする作品となった。 医療を使った作品がお好きな方はぜひ一度、読んでみてください。