裏表紙より

 「ひっこみじあんで、気のいいホビット小人のビルボ・バギンズは、ある日魔法使いガンダルフと13人のドワーフ小人に誘い出されて、竜に奪われた宝を取り返しに旅立ちます。北欧の叙事詩を思わせる壮大なファンタジー。」

 私が本書を初めて読んだのは、確か小学三年の時だったでしょうか。初めて読んだ時の印象はと言えば、よく分からない、でも面白いというものでした。合間合間に挟まれる詩やジョークは、日本語に訳される中でどうにも分かりにくいものになっているのです。しかし、世界観が作りこまれていることは確かです。
 本書はファンタジーとしては知らない人がいない程有名な、「指輪物語(ロード オブ・ザ リング)」の前日談です。指輪物語と比べれば、暗いシーンが少なく、まさに「夢と希望に溢れたファンタジー」と言った感の強い作品です。指輪物語では欲望と疑心暗鬼を呼ぶ呪われた指輪もこの作品中では、姿を消せる便利な指輪、程度のものです。
 主人公ビルボや、魔法使いガンダルフ等は、指輪物語にも登場します。指輪物語を有名だから読んでみたけれど、何だかよく分からなかった、という方も多いと思います。そんな人は是非読んでみることをお勧めします。対象年齢は低いですが。