渡邉美樹「きみはなぜ働くか」@江乃本

内容
「きみたちは人生の主人公なんだ!」「夢なくして、何が人生だ」――。新たな挑戦を続けるワタミ会長・渡邉美樹が、「なぜ生きるか」「なぜ働くか」をすべての男女に問いかける。珠玉のメッセージ集。(本誌裏表紙より引用)

感想
学生の身分である自分は全くといっていいほど社会経験に乏しいが、そんな学生がちょっとしたアルバイトをするときから社会に出て働くときまで役に立つ、そんなアドバイスがたくさん載っている本である。
本書ではまず夢を持つことの大切さを教えている。
ただ安定した生活を送りたいから大企業を目指したり、お金を得るためだけに仕事をしてわずかなプライベートだけを楽しむのではなく、仕事にやりがいと楽しさを見つけ、そして自分なりの夢を持つことによってはじめて人生に価値がでるのだ、と。
しかもその夢はぼんやりとしたものではなく、具体的な目標、手段とともに達成の日付までを考えるくらいでないといけない、と言う。
私はこれを聞いて、自分の将来像について考えた。
なんとなくの方向性しか定めずに、学校でもその「なんとなく」のために勉強しているから、だから日々に熱意とやりがいを感じないのではないだろうか。
また、アルバイトやボランティアにしてもそうである。
もちろんお金を稼いだり学校の単位を取得することは大事であるが、その過程でそれ以上のことを学びとり、そして自分の夢に具体的につなげていくことが大事なんだと痛感した。
筆者は主に接客業におけるサービスの在り方について言及している。
会社員であろうとアルバイトであろうと、自分のサービスが客の人生の一場面に関わっているのだという自覚のあるなしで、その態度が大きく変わってくることがよく分かった。
これはたとえビラ配りなどの軽視されがちなアルバイトでも当てはまることだ。
――筆者が述べていることの中でも印象に残ったのが、「仕事は慣れてはいけない」ということである。
私はアルバイトをするたびに、早く仕事に慣れて機械的にこなせるようにならなくては、と考えてばかりいた。
しかし、特に人を相手にする仕事では、機械的にできるようになってしまってはいけないのだ。
これからどんな仕事をすることになろうとも、初心を忘れずに、一人一人と向き合っていく姿勢を忘れないようにしたい。
この他にも、豊かな人生を送るためのメッセージが本書にはたくさん載せられている。
学生や、社会人、誰にでもおすすめできる本である。